受注競争に勝ち抜くためには、お客様の要求する機能・設備をいかに低コストで提供するか、いわゆるバリューエンジニアという考え方が重要になります。資源の有効活用はもちろん、人材の効率的配置、能率的な施工方法の創出、施工後の環境性能などあらゆる事項を検証し、お客様に対してはよりコストパフォーマンスの高い機能・設備を提供、その上でなお、会社に対しては存続可能な収益を確保する必要があります。
そうした受注競争を勝ち抜いた後に、営業担当者による契約内容の確認や変更点の掌握を経て、いよいよ現場が動き出します。
現場を動かすためには、まず請け負った工事の管理を担当する技術者(主任技術者・監理技術者)を選任する必要があります。施工規模・施工内容に応じて、有する資格や専門性を判断し、各現場に最もふさわしい技術者を選任します。これが、より安全・高品質な施工を提供するための第一ステップです。選任された技術者は、施工計画の作成・工程管理・資材管理・品質管理・安全管理・労務管理・原価管理など、非常に広範な業務を担当し、工事全般をマネジメントする役割を担います。
主任技術者・監理技術者とは別に選任されるのが「施工管理者」です。施工規模や内容によっては技術者が兼任することもありますが、施工管理者は担当する現場の施工内容を充分理解し、施工図の作成をはじめ、仕様書・関係法規、その他契約事項に従って工事を管理します。日々変わる現場環境を常に把握して、問題点や改善点があれば速やかに解決し、現場がよりスムーズに機能するよう指揮をとります。いわゆる現場監督という立場です。
施工管理者は、そもそも“社長の代理人”として現場を管理する者のことを言い、施工管理者の言動はそのまま中央電気工事の言動となります。言うまでもなく発言や行動に対する責任と自覚を持つことはもちろん、施主・ゼネコン・設計事務所・取引先からの信頼を得る者でなけれなばりません。そうした信頼関係を構築することで、新たな設備投資ニーズなど、営業情報の獲得にもつながります。
またお客様に評価される電気設備を施工するためには、社員や下請業者はもちろん、同じ現場に立つ他社の担当者ともコミュニケーションを図る必要があり、施工管理者は単に現場知識の豊富さや作図の正確さだけでなく、人間力を兼ね備えた人材である必要があります。円滑なコミュニケーションが図られている現場ほど、施工が順調に進み、結果、お客様に提供する電気設備の品質を高めることとなります。